少し前ですが、先月JILLAさん主催の下請法についてのセミナーに参加しました。
法律の話ってなると、難しいし、理解するのも面倒だなぁ…と思っていたのですが、
以前私のイラストが無断使用されたこともあって、しっかり自衛していかなきゃなと思って参加してみました!
難しい言葉がたくさんあったので、自分なりにわかりやすくメモも兼ねてセミナーで知ったことの要点をまとめてみました。
よかったら参考にしてみてください〜!
(もしかしたら微妙に言葉のニュアンスが違うかも…?なのと、クリエイター向けに抜粋してまとめているので、あくまで参考で…!詳しくは調べてみてください)
下請法って?
下請法とは、独占禁止法の特別法として、下請け事業者の取引公正化と利益確保のために制定されたものです。
簡単にいうと、私のようなフリーランスや小規模な下請け会社が、大企業の親会社との仕事の取引で、不当な圧力がかからないようにするための法律です。
元の法律である「独占禁止法」よりも簡易的な手続きで処理しやすいそうです。
下請法が適用されるのは、親事業社の規模による!?
下請法が適用されるのは、親事業者の資本金が1千万円超えた企業と、資本金が1千万円以下の下請け事業者(個人を含む)との取引が適用されるそうです。(クリエイティブ事業者の場合)
私はセミナーで聞くまで知らなかったのですが、結構適用される範囲が限られてきませんか…??汗
フリーランスだと、孫請けも多いので、資本金がそんなに大きくない企業と取引することが多いと思うので、
そこは改訂して欲しいな…と感じました。
現状は、資本金が大きい大手企業さんには国からの下請法についての周知がされているため、ほとんど違反するような企業はないそうなのですが、小さい企業さんにはまだ下請法が行き届いていないことも多いそうです。
適用範囲は決まっているので、1千万円以下の企業さんとの取引では、「法律ではこういう決まりがあるんだよ」って交渉の手段として使うとかはありなのかな…?と思いました。
下請法で私たちが守られること
この下請法によって親会社が禁止している主な行為は以下の内容です。
11の禁止行為があるそうですが、広告業に関係ある8つの行為を抜粋しています。
・受領拒否
受領拒否とは理由もないのに、親事業者が下請け業者に発注した制作物の受領を拒否することです。
例えばイラスト制作でいうと、あるイベントのポスターのイラストを制作したけれどクライアントの都合でそのイベントが中止になり、制作したイラストを受け取ってくれないと言う場合…。とかかな?
・代金の支払い遅延
制作物の納品日から60日以内で定められた支払い期日までに支払うことが義務になっています。今までお仕事をしてきた中でも実際あるのですが、制作費の支払いが翌々月だったりすることって多いんです。下手したら3ヶ月後とかもあります。
今は月の収入が0ということはないのですぐには困らないのですが、独立したての頃は本当に困りました…。
親事業者側も、元のクライアントから入金があってからじゃないと処理できないなどいろいろ事情があるとは思うのですが、
下請法では60日以内としっかり明記しているので、過ぎる場合はしっかりクライアントと一度交渉してみようかと思います…!
・買いたたき
親事業者から一方的に著しく制作費を低く定められないようにしています。
「次も発注するから安くして!」とか、「宣伝するから安く描いて!」とか…。
あとは「フリーランスには消費税は払いません!」というのもアウトです。これは別で、「消費税転嫁対策特別措置法」といのもあり、国の中小企業庁の方でも企業に支払うよう指導をしているそうです。
・物の強制購入・役務の利用強制
正当な理由もなく親会社から強制的に物を買わせたり、働かせられたりされないようにすることです。
私ではないのですが、「クライアントの企業の商品のお正月のおせちの購入ノルマがある」っていうのを聞いたことがあります…。未だにそういうことしてくる会社とか…!嫌ですよね…。
・下請け代金の減額
下請け業者に責任がないのに、最初に決めた金額よりも後から減額されることです。
発注時に口頭のやりとりだとこういうことがありやすいと思うので、メールやお仕事確認書などの書面でしっかり記録しておくことが大事だなと思いました。
・不当な経済上の利益の提供要請
これはイラスト制作のお仕事の中の例でいうと、クライアントが最初に決めたイラストの使用範囲を超えて、2次使用などを無償で譲渡・許諾させることです。このケースは著作権法にも引っかかってきますね。下請法でも禁止している行為みたいです。
・不当な給付内容の変更・やり直し
下請け業者に責任がないのに、クライアントが無償で発注の取り消し・内容変更・納品後の修正・やり直しをさせることです。
イラストやデザインなどの制作物は、クライアントの意図を読み取れずに作ってしまい、作り直しみたいなことは結構あるので、なかなか判断が難しいのではと感じました…。
制作物にはこれが正解!みたいなものがないので難しい話ですが、受注する時に修正回数などを設定しておくといいのかなと思いました。
仕事をはじめる時は親事業者が書面を交わすことが義務?!
親事業者が仕事を発注する時は、書面を作成して下請け事業者に必ず渡すことが義務だそうです
この書類のことを「3条書面」というそうです。(下請法第3条だから)
記載事項は、以下のような内容です。
- 親事業者と下請け事業者の会社名
- お仕事発注日
- お仕事内容
- 納品日
- 納品形式・場所
- 校了日(検査完了日)
- 代金
- 代金支払い期日
- 代金支払い方法
会社員時代はちらっと見たことはありますが、フリーランスになってから今までクライアントから渡されたことないかも…?
法律でも決まっているし、やはり自衛のためにも、自分からなんらかの発注書などの書類を用意することは必要なんだと思いました。
ちなみに私はお仕事確認書を使っています。書いてもらうのはクライアントの手間になって嫌がられるかな?と心配もしたのですが、
今の所みなさんちゃんと丁寧に対応してくいるので、安心して活用しています!
困ったら「下請け駆け込み寺」へ相談!
何かクライアントとのやりとりで、上記で書いたような買い叩きや支払いの遅延など、困ったことがあったら
「下請け駆け込み寺」に相談することができます!下記にリンク貼っておきます。
▶︎公益社団法人 全国中小企業振興期間教会 下請駆け込み寺本部
電話でもメールでも無料で相談できるみたいです。とても心強い!
知っているのと知らないのとでは、今後のリスクが大違い!クリエイターも法律の知識を
以上がセミナーで知った下請法についてのまとめです。
この下請法だけではないのですが、こういう知識を知っているのと知らないのとでは全然これからの対処やリスクが変わるなと思いました。知っていれば泣き寝入りせずに済むかもしれません。
私の知人のクリエイターの方が、「知らないはリスクだよ」とよく言っていたのですが、全くその通りだなと思いました…!
他にも税金のことや著作権のことなど、まだまだ知っておきたい知識がいろいろあって大変なのですが。。。
クリエイターも少し法律の知識があったら、もっと快適にものづくりができるのかなと思いました。
フリーランスは基本自分で自分を守っていかなければいけないので、これからも貪欲に情報にアンテナを立てていきたいと思いました!