競合のバッティング制限ってなに?
イラストのお仕事をする際に、最初にいろいろ条件や内容ののすり合わせをするのですが、その中の一つで必ず競合バッティング制限があるかどうかを確認します。
バッティング制限とは、ある企業の広告イラストを担当したら、その企業の競合他社の仕事が受けられなくなるという制限があることです。書籍や雑誌のお仕事ではその制限がないことがほとんどですが、企業の広告のお仕事の場合は、制限がある場合があります。特に大きな企業の場合や企業のカレンダーなども制限がある場合が多いです。
なぜ制限があるの?
なぜ広告のお仕事には制限があるのかというと、イラストのタッチ・世界観やイメージが他の競合他社とかぶってしまうのを避けるためです。芸能人の方もそうですよね。ある企業のCMに起用されていたらそこの競合他社のCMには出ていないですよね。
特に大きな広告のお仕事の場合の方が制限がある場合が多く、過去に受けたお仕事までさかのぼる場合があります。バッティング制限があるお仕事の場合、直近で同業他社の企業のお仕事が受けにくくなってしまうなど影響が出るので慎重に確認します。
競合のお仕事を受けにくくなるので、イラストは原則使用期間を設定しています
競合他社の仕事が受けにくくなるなどの理由があるので、原則広告のイラストは使用期間を設定します。(オウンドメディアなどウェブコラムの場合は、広告というより読み物としての性質が高いため、区切らないことが多いです)
私の場合は基本は1年間で区切り、その後は初期費用の50%の更新料金を請求することにしていますが、ここら辺の条件は案件によってその都度、話し合いで決めています。
まれにバッティング制限がない広告のお仕事もありますが、その場合も、その企業以外のバッティング制限のある競合他社がのお仕事が受けにくくなってしまうため、原則使用期間を決めています。
正直、描いたイラストを長く使ってもらえたらすごくうれしいので、使用期間を区切るのは心苦しく感じる時もあります…が、それを許してしまうと他社のお仕事を受けられなくなり、イラストレーターとして死活問題になってしまうので、発注者の方にはご理解いただけますととってもうれしいです…!!!
「使い放題にしたいから著作権を買い取る!」という条件は受けられません!!!
なかには「使用期間や使用範囲の確認とか手間だから著作権を買い取りたい!」という考えの方もいるかもしれませんが、上記で説明した理由もあり、イラストの使用履歴などの管理ができないと競合他社のお仕事を受けにくくなってしまうため、原則著作権の買い取りの案件は受けていません…!著作権買い取りに関しては他にもいろいろ懸念点があり、過去に記事を書いていますのでコチラをご覧ください。それと、私が所属しているイラストレーターズ通信でも記事を描いていますのでコチラ(外部サイトにリンクしています)もご覧いただけるとうれしいです。
まとめ
以上が私のイラストのバッティング制限と使用期間の設定に関しての考えです。いろいろな考え方があるかとは思いますが、イラストレーターとして生計を立てるために大切なお話なので、今回考えを発信しました。発注者の方にはご理解いただけますと非常に助かります…!!!
とはいえ、一方的に条件を押し付けることはしたくないので、その都度ご相談いたき、話し合って決めていければと思っていますので、お気軽にご相談下さいませ!!
それと、これからイラストレーターを目指す方も、ここら辺の話を知っておいた方がいいと思うので、参考にしてもらえたらうれしいです!